TIUストーリー 英語教育




留学したら、自然に現地の人との交流の機会が生まれ
いつのまにか英語が話せるようになるものだと思っていた。
だから、ルームメイトのリンダと話が弾まないことに戸惑いを感じていた。
「エリ、自分から積極的に動かないとASPの1年間なんてあっという間だよ」
喝を入れてくれたのは同じウィラメット大学に長期留学中のユウタ先輩だった。

リンダの本棚に、ちょっとレトロなミルク缶のようなものが置いてあった。
「ね、これは何?」 思い切って、自分から話しかけてみた。
「ケリーケトルよ。中で松ぼっくりなんかを燃やせば、すぐにお湯が沸くの。
アウトドアグッズだけど、非常時用にも便利よ。
私は自然やアウトドアが好きだから、パークレンジャーになりたいの」
「女の人でもなれるの?」
「なぜ?男女は関係ないわ。性別は制約じゃないのよ」

男女の違いを意識せず未来の夢を語るリンダに驚いた。
もっとアメリカの文化を知りたいと、スタッフに相談すると
ウィラメット大学の『ジェンダー論』の授業を勧めてくれた。
アメリカ人の学生たちが受けている専門科目の授業だ。
ついていけるかどうか、不安はあった。
――でも私は、自分が成長するためにアメリカに来たんだ。

英語で専門書を読みエッセイを書くのに
どうしたってアメリカ人の学生よりも時間がかかる。
『ジェンダー論』のロン教授は「エリの挑戦に敬意を表して」と
いつも特別に30分延長してくれる。
授業後は、ロンのオフィスでコーヒーを飲む。
「ここはみんなにオープンな場所だよ、いつでもウェルカムさ」
授業のわからないところ、アメリカ生活で感じる疑問、
ロンや同じクラスの仲間に、なんでも相談した。
「日本人の謙虚さは美徳だよ。でもジェンダーギャップ指数が低いのは問題だ。
女性ももっと社会に出て、発言力を強めていかないと」
困っているときは声を上げれば、いつも誰かが手を差し伸べてくれた。

待っているだけでは何も始まらない。
でも、一歩踏み出せば、いろんなチャンスが待っている。
私が成長し、私の世界が広がるチャンスが――


※ 写真は実在の東京国際大学生ですが、本文とは関係ありません。


ASP



他のTIUストーリーを読む