臨床心理学研究科

2020年度より、公認心理師養成大学院として認定されました

こころの深さがわかる公認心理師・臨床心理士を育てる大学院

臨床心理学を学ぶということは、他の学問分野とは異なる側面があります。それは、学ぶ者自身のあり方が、学びの一部になっているということです。相談に来られた方に会ったとき、自分がどう感じるのか、プレイルームで子どもと遊びながら、自分の中に広がる悲しみは何なのか、怒りは何なのか。こうしたことすらも、臨床心理学では学問の対象としています。自分の内面も含めた心理療法におけるセンスとか感性を磨いていくことは、公認心理師・臨床心理士になっていくときの大切なプロセスです。もちろん単に主観的な思い込みでは、専門家にはなっていけません。そのために少人数でのグループディスカッションや、セラピストとクライエントを演じるロールプレイ、自分の担当した事例を経験者から指導してもらうスーパーヴィジョンなどが必要です。知的側面も十分に鍛えていく必要があることはいうまでもありません。心を病むということはどういうことなのか、問題行動とよばれていることの背景にはどのようなことが考えられるのか。どのような研究法があり、それで何がわかるのか。大学院に入ると、本当にたくさんのことを学ぶ必要があることに気づかれるでしょうし、その学び方も受け身ではなく、自分で調べ、まとめ、発表し、ディスカッションするという繰り返しの中で、能動的に身につけていくものであることを知っていくと思います。そういう雰囲気に満ちているのが、東京国際大学の臨床心理学研究科なのです。

特色

臨床心理学のすぐれた専門家の育成をめざし、2001年4月に開設された大学院です。充実した設備を誇る臨床心理センターを備え、臨床心理学の実習を重視した内容になっています。

  1. 1.国家資格「公認心理師」養成機関と認定され、対応したカリキュラムを開講しています。なお、4年制大学において省令で定められた科目を修得していることが必要条件となります。
  2. 2.公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会より臨床心理士受験資格に関して第1種指定校に認定されています。
  3. 3.本研究科付属の臨床心理センターがあり、子どもや大人の心理療法、心理検査を担当し、教員から丁寧なスーパーヴィジョンを受けることができます。

    (臨床心理センターの詳細については東京国際大学臨床心理センターのホームページをご覧ください。)

カリキュラム

  1. 1.「臨床心理査定特論」では、1年生がロールシャッハテストを中心に、心理査定を学びます。この授業は、2年生の「心理アセスメントに関する理論と実践(臨床心理査定実習)」につながり、実際に臨床心理センターで心理検査を行い、データをまとめるところまで学びます。
  2. 2.「臨床心理面接特論」では、専任教員全員が順番に輪講形式で授業を行います。臨床心理学の実践に結びつく様々なトピックスを、毎年、話す内容を交代しながら、大切な知識、新しい知識を伝えていきます。
  3. 3.「臨床心理実習Ⅰ」「心理実践実習D(臨床心理実習Ⅱ)」では、センターで担当した事例を専任教員がスーパーヴィジョンします。このことにより、学生が安心して実習をできるようにしています。
  4. 4.「心理実践実習E(学外実習)」では、十分な精神科の病院、クリニック、施設などと提携しているので、現場で実践的な学習ができます。
  5. 5.「心理実践実習A(臨床心理学実践学実習)」では、センターなどで担当した事例を、研究科の大学院生全体でディスカッションをし、専任教員が順番にコメントを担当します。1年間を通すと、事例のさまざまな見方を肌で体験することができます。
授業科目一覧

博士課程(前期)

※表は横にスライドできます。

区分 授業科目 単位
必修科目 臨床心理学特論 4
心理実践実習C(臨床心理面接概論) 2
臨床心理面接特論Ⅰ 2
心理支援に関する理論と実践
(臨床心理面接特論Ⅱ)
2
臨床心理査定特論 4
臨床心理基礎実習 2
臨床心理実習Ⅰ 1
心理実践実習D(臨床心理実習Ⅱ) 1
心理実践実習E(学外実習) 2
演習1 2
演習2 2
選択科目 [臨床心理学分野]
家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
(家族力動論特論)
2
発達臨床学特論 2
司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開(犯罪心理学特論) 2
イメージ療法特論 2
精神分析学 2
心理療法特論1 2
心理療法特論2 2
心理療法特論3 2
教育分野に関する理論と支援の展開(学校臨床心理学特論) 2
臨床心理学講読 2
心理実践実習A(臨床心理学実践学実習) 2
心理的アセスメントに関する理論と実践(臨床心理査定実習) 2
[精神医学分野]
保健医療分野に関する理論と支援の展開(精神医学特論) 2
心の健康教育に関する理論と実践(医学的心理学特論) 2
心理実践実習B(病院臨床特論) 2
[基礎心理学分野]
産業・労働分野に関する理論と支援の展開(社会心理学特論) 2
心理学研究法特論 4
心理学統計法特論 4
発達心理学特論 2
福祉分野に関する理論と支援の展開(福祉心理学特論) 2
[学校教育に係る分野]
学校教育学特論 2

博士課程(後期)

※表は横にスライドできます。

区分 授業科目 単位
主要科目 精神分析学研究 4
精神医学研究 4
臨床心理学研究 4
心理療法研究 4
家族力動論研究 4
分析心理学研究 4
上級演習1 2
上級演習2 2
上級演習3 2
選択科目 人格心理学研究 4
社会的行動論研究 4
外書講読研究 4

学位論文の評価基準

    博士課程(前期)

  1. 研究目的・テーマと論題・副題などの適切さ
      (1)研究目的が明確に示され、表題は論文内容を適切に表現している。
      (2)研究テーマは研究目的及び内容に即して適切で、独創性がある。
  2. 現状認識と課題発見・問題設定と分析方法・解決方法と結論等の適切さ、妥当性、独創性など
      (3)研究目的に照らし、現状認識・問題発見・課題設定などが適切である。
      (4)研究方法は適切で効果的であり、先行研究を十分に踏まえている。
      (5)内容などに独創性・新しい知見・貢献などが示されている。
  3. 論文構成の適切さ・論述の整合性と妥当性・結論の適切さなど
      (6)論文構成が研究目的に対して適切であり、論理的一貫性をもっている。
      (7)概念、理論、用語を十分理解し説明している。
      (8)必要な資料・データ・文献などが適切に提示・分析されている。
      (9)結論は十分な論証を経て導き出されている。
  4. 明確さ・論述展開・文章表現の適切さなど
      (10)論旨が明確で分かり易く、論述展開が適切である。
      (11)文章表現が適切で、論文の意図が明確である。
  5. 論文形式・引用処理・参考文献の提示などの適切さ
      (12)修士論文として全体に形式が整っていて、分かり易く、注、引用文献、参考資料などの提示が適切である。
  6. 博士課程(後期)

  7. 研究目的・テーマと論題・副題の適切さ
      (1)研究目的が明確に示され、表題は論文内容を適切に表現している。
      (2)研究テーマは有意義で研究目的及び内容に即して適切であり、独創性がある。
  8. 現状認識と課題発見・問題設定と分析方法・解決方法と結論の適切さ、妥当性、独創性など
      (3)研究目的に照らし、現状認識・問題発見・課題設定などが適切である。
      (4)研究方法は適切で効果的であり、先行研究を十分に踏まえている。
      (5)内容などに独創性・新しい知見・貢献などが示されている。
  9. 論文構成の適切さ・論述の整合性と妥当性・結論の適切さなど
      (6)論文構成が研究目的に対して適切であり、論理的一貫性をもっている。
      (7)概念、理論、用語を十分理解し説明している。
      (8)必要な資料・データ・文献などが適切に提示・分析されている。
      (9)結論は十分な論証を経て導き出されている。
  10. 明確さ・論述展開・文章表現の適切さなど
      (10)論旨が明確で分かり易く、論述展開が適切である。
      (11)文章表現が適切で、論文の意図が明確である。
  11. 論文形式・引用処理・参考文献の提示などの適切さ
      (12)博士論文として全体に形式が整っていて、分かり易く、注、引用文献、参考資料などの提示が適切である。

学位論文の審査体制

博士課程(前期)
 研究科長は,学位申請論文審査のため,研究科所属の教員のうちから2名以上の審査員を選出し,これら審査員から成る審査会を設ける。但し,上述の教員以外に本学他研究科の教員又は他大学等の教員等を審査員に加える場合は,事前に学長の許可を得なければならない。
 研究科長は,学位申請論文審査の後に行うべき最終試験又は試験の審査員を2名以上,選出しなければならない。

博士課程(後期)
 研究科長は,学位申請論文審査のため,研究科所属の教員のうちから3 名以上の審査員を選出し,これら審査員から成る審査会を設ける。但し,上述の教員以外に本学他研究科の教員又は他大学等の教員等を審査員に加える場合は,事前に学長の許可を得なければならない。
 研究科長は,学位申請論文審査の後に行うべき最終試験又は試験の審査員を3 名以上,選出しなければならない。

修了の要件

  1. 1.博士課程(前期)修了の要件は、本研究科に2年以上在学し、40単位以上を修得。さらに、修士論文の審査および最終試験に合格することです。
  2. 2.在学期間に関しては、優れた業績をあげた者は大学院に1年以上在学すれば足りるものとします。
    ただし、公認心理師及び臨床心理士の受験資格を希望する者は2年以上の在学を要します。
  3. 3.博士課程(後期)修了の要件は、18単位(本研究科に3年以上在学)以上を修得することです。さらに博士論文の審査及び最終試験に合格することです。

授与する学位

臨床心理学研究科臨床心理学専攻
博士課程(前期):修士(心理学)
博士課程(後期):博士(心理学)

主要進路先

病院・クリニックの心理職

  • 横浜相原病院
  • 横浜市立大学附属病院神経科
  • 聖マリアンナ医科大学病院
  • 東京慈恵会医科大学柏病院
  • 国立精神神経センター武蔵病院
  • 東京都立清瀬小児病院
  • 東京都教職員互助会 三楽病院
  • 慈雲堂内科病院
  • 武田病院
  • 千葉県こども病院
  • 常盤台神経科
  • さつき台病院
  • 永井ひたちの森病院
  • 高仁会 戸田病院
  • 越谷吉伸病院
  • 西熊谷病院
  • 大和会 西毛病院
  • 公立富岡総合病院
  • 辰五会南伊豆病院
  • 志誠会平和病院
  • 桐の木クリニック
  • 熊谷神経クリニック
  • 青山渋谷メディカルクリニック
  • 成増メンタルクリニック
  • 埼玉医科大学附属川越クリニック
  • 正文会 航空公園クリニック
  • こうぬまクリニック
  • 相州メンタルクリニック
  • パークサイド柴田メンタルクリニック
  • 小石川メンタルクリニック

スクールカウンセラー、教育相談機関カウンセラー

  • 公立小中学校スクールカウンセラー
    (東京都各区、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県ほか)
  • 埼玉県立狭山緑陽高等学校
  • 星槎学園高等部昴校
  • 同・湘南校
  • 大妻嵐山中学高等学校
  • 渋谷高等学院横浜校
  • 日々輝学園高等学校 東京校 横浜校
  • 実践女子大学学生相談センター
  • 北里大学薬学部薬学教育センター(学生相談)
  • 山形大学工学部米沢キャンパスカウンセラー
  • 埼玉工業大学臨床心理センター
  • 習志野市総合教育センター
  • 世田谷区教育相談室
  • 練馬区教育委員会相談員
  • 杉並区教育相談適応指導教室
  • 稲毛市 教育相談員
  • 横浜市教育総合相談センター
  • 大和市青少年相談室
  • 志木市教育サービスセンター
  • 所沢市立教育センター
  • 川越市教育総合相談センター
  • 和光市 教育相談員

児童関連施設、福祉関連施設の心理職

  • 杉並区子ども家庭支援センター
  • 荒川区子育て支援センター
  • 伊勢原市役所 家庭児童相談員
  • 発達支援センターうめだ・あけぼの園
  • 特定非営利活動法人こどもの発達療育研究所(江東区)
  • 神奈川県児童自立支援施設おおいそ学園
  • (社福)光明会 杉並学園
  • (社福)カリタスの園
  • (社福)クリスト・ロア会 聖ヨゼフ・ホーム
  • (社福)錦華学院
  • (社福)はるな郷 あすなろ荘
  • (社福)聖母会星美ホーム
  • 葛飾区障害者生活介護事業所心理職
  • 東京都立萩山実務学校(児童自立支援施設)
  • 至誠ホーム 相談員
  • 独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構カウンセラー

公務員、その他の機関の心理職

  • 国家公務員(法務教官)
  • 埼玉県立精神保健福祉センター
  • 埼玉県DV相談室 相談員
  • 立川総合福祉センター
  • 東京都職員共済組合 精神保健相談員
  • フリースペースYMCAリビ相談員
  • 川口市保健所
  • 蕨市保健所