科研A「変革期のイスラーム」第8回(2015年度第1回)研究会

日時:2015年6月20日(土)14:00〜18:00
場所:東京国際大学国際交流研究所 第1キャンパス金子泰蔵記念図書館4階L422教室


発表概要
1.「ヨルダンのイスラーム銀行利用者に関する実証分析−金融商品の利用動機を中心に−」
発表者:上山一 (筑波大学ビジネンスサイエンス系、北アフリカ研究センター・助教)

要旨
 本発表の目的は、ヨルダンにおけるイスラーム銀行利用者の行動を考察することで、イスラーム銀行利用者の利用動機を明らかにすることである。依拠するデータは、2010年にヨルダンで実施されたイスラーム銀行利用者に対する聞き取り調査から得られた情報である。本発表では、まず、ヨルダンのイスラーム金融事情を概観した後、イスラーム銀行利用者に対する聞き取り調査から得られたサンプル・データについて検討を行う。次に、イスラーム銀行利用者による金融商品の利用動機やイスラーム銀行との継続的取引に影響を与える要因について検討を行う。


2.「コプト・キリスト教とディアスポラ共同体」
発表者:岩崎真紀 (筑波大学人文社会系、北アフリカ研究センター・助教)

要旨
 アラブ諸国は2011年のアラブ革命により政治社会が大幅な変化の途上にあり、革命にともなう欧米諸国への移民の増加については国際社会が注目している。エジプトはイスラーム世界の中心地のひとつとして知られているが、他方で中東最大のキリスト教共同体であるコプト・キリスト教徒(以下コプト)が人口の10−15%を占める。1950年以降、エジプトでは海外移住者が激増したが、なかでもコプトの移住率はムスリムのそれよりもはるかに高く、革命後さらに増加している。
 本発表は欧米に移住したコプトをディアスポラとしてとらえ、カナダやフランスのコプト・ディアスポラ共同体、そして母国のエジプトのコプト共同体の調査を通じ、コプト・キリスト教におけるディアスポラの歴史と現状についての考察を行う。



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