2014年9月15日公開講演会 概要紹介

世俗社会における宗教回帰―トルコと中国の事例から―

日時:2014年9月15日(月)15:00〜18:00
場所:東京都新宿区西新宿1-19-8 新東京ビル10F
参加:自由(無料)
プログラム
@「中国ムスリム少数民族とイスラーム」(“中国穆斯林少数民族与伊斯兰教”)
【講師】哈宝玉(Ha Baoyu)教授 (中国陕西师范大学 Northwest National Research Center at Shaanxi Normal University)
A「新たな神学による宗教間対話とフェトフッラー・ギュレン」(“Interfaith Dialogue in the Context of New Theological Language and Fethullah Gulen”)
【講師】アドナン・アスラン(Adnan Aslan)教授(スレイマン・シャー大学 Suleyman Sah University)



第4回公開講演会レポート

 2014年9月15日、日本トルコ文化交流会<外部サイト>との共催で、新東京ビル10Fにおいて、アドナン・アスラン教授、哈宝玉教授をお招きしての第4回公開講演会が「世俗社会における宗教回帰―トルコと中国の事例から―」と題して開催された。

 哈教授は、中国陕西师范大学中国西部边疆研究院中国陕西师范大学の教授であり、回族として中国のイスラーム文献学の研究家である。講演では、 中国へのイスラームの伝来から、その発展の歴史を概説していただき、現代中国のイスラーム各学派とムスリム社会の現状について詳細なデータを交えてお話ししていただいた。

 アスラン教授は、トルコのイスタンブールにあるスレイマン・シャー大学の人文社会学部長であり、ジョン・ヒックの「宗教多元主義」研究で知られている。なお、スレイマン・シャー大学にはYouTubeに公式チャンネル<外部リンク>があり、いくつかのプログラムでアスラン教授の討論などを視聴することができる。 今回の講演では、まず宗教多元主義の専門家としての立場から、イスラームとキリスト教、ユダヤ教のこれまでの対立と融和の歴史を概括していただいた。その上で、フェトフッラー・ギュレン氏を精神的指導者とするヒズメット運動(ギュレン運動)の解釈を取り入れたイスラームによる、新しい取りくみと将来像についてお話ししていただいた。

 当日は、ほぼ満室となる50名を超える参加者にお越しいただけた。哈教授の講演は中国語で行われ、日本語への通訳は野崎晃市氏に依頼した。アスラン教授の講演は英語で行われ、日本語訳の講演原稿が配布された。アスラン教授は、事前に送られてきた原稿のうえに、さらに多くの興味深い見解を追加された。お二人による2時間半を超える講演ののちに、質疑応答の時間が設けられた。英語は岩崎真紀研究分担者(筑波大学助教)、中国語は野崎晃市氏が通訳を担当し、先生方と出席者との間で活発な質疑応答が繰り広げられた。講演会後、その場で懇親会が行われ、簡単なトルコ料理の弁当を頂きながら、さらに情報交換が行われた。

・哈宝玉教授 中国語(原文)講演原稿「中国穆斯林少数民族与伊斯兰教」(準備中)
・哈宝玉教授 日本語(翻訳)講演原稿「中国ムスリム少数民族とイスラーム(PDFファイル)
・アドナン・アスラン教授 英語(原文)講演原稿「Interfaith Dialogue in the Context of New Theological Language and Fethullah Gulen(PDFファイル)
・アドナン・アスラン教授 日本語(翻訳)講演原稿「新たな神学による宗教間対話とフェトフッラー・ギュレン(PDFファイル)

翻訳文責:
科学研究費補助金(基盤研究(A)「変革期のイスラーム社会における宗教の新たな課題と役割に関する調査・研究」(東京国際大学国際交流研究所)

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