2014年11月8日公開講演会 概要紹介 |
民衆革命下のチュニジアの女性たち 日時:2014年11月8日(土)14:00〜18:00場所:東京国際大学早稲田キャンパス、マルティホール 参加:自由(無料) プログラム: @「北アフリカ(マグリブ)の歴史と文化――女性たちの活躍を中心に」 【講師】宮治美江子先生 (東京国際大学名誉教授) A「移行期(2011-2014年)におけるチュニジアの女性たち」(“Tunisian Women during the transition's days(2011-2014)”) 【講師】ムニーラ・シャプトー(Mounira Chapoutot-Remadi)先生 (チュニス大学名誉教授) 資料:「公開講演会ポスター」(PDFファイル) |
第5回公開講演会レポート |
チュニジア共和国は2011年に民衆革命が成功した国の中で、もっとも良い状況にあると言われているが、2013年の世俗主義政党議員2名の暗殺事件を契機に、イスラーム政党政府への抗議が激化し、先月2014年10月には、新憲法下で初となる議会選挙が実施されるなど、いままさに民主化の行方が注目されている国である。 宮治先生は、東京国際大学の名誉教授であり、我が国の北アフリカ文化人類学研究の先駆者、第一人者でもある。今回はムニーラ先生の講演に先立って、北アフリカとチュニジアの歴史と社会について解説していただいた。 ムニーラ先生は、チュニジアのチュニス大学の名誉教授であり、マムルーク朝史を専門とする歴史学者であるが、2011年1月のチュニジア民衆革命以後は、チュニジアでの自由や反暴力、女性の権利のための活動にも力を注がれている。今回の講演では、まずチュニジアにおける女性の立場や権利について、@チュニジア独立(1956年4月20日)以前、Aブルギバ大統領の政策による「国家フェミニズム」(1956-2011年)、B非政府フェミニズムの発展(ベンアリー大統領就任(1987年)以後)に分けて整理した上で、革命後の移行期(2011年-2014年)における女性たちの直面している状況について、ご自身の体験を交えて話していただいた。 当日は、天候に恵まれなかったものの、30名近い参加者があった。宮治先生の講演は日本語で行われた。ムニーラ先生の講演は英語で行われ、日本語訳の講演原稿が配布された。講演ののちに、質疑応答の時間が設けられた。司会進行・通訳を阿久津正幸(本科研特別研究員)が担当した。なお、ムニーラ先生は、本講演会のあとも、一橋大学、早稲田大学、筑波大学と各所で精力的に講義を行い、日本とチュニジアの間の研究交流が深められた。
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